蒋淵で岩牡蠣養殖をはじめたのは10年前。
当時より主力産業だった真珠養殖の母貝が突然変死したことをきっかけに、新たな産業の軸を創ろうと市と共同で養殖の取り組みを開始しました。
最初の出荷量は1万個程度でしたが、年を追うごとに生産量も増加し、今では年間10万個を超えるまでに成長を続けています。
蒋淵では岩牡蠣養殖のほか、真鯛・カンパチ・ブリなどの魚養殖、真珠養殖なども盛んに行われています。
宇和海は年中豊富なプランクトンが漂う海域にあり、1日に200~300Lも体内に海水を取り込みプランクトンを摂取する岩牡蠣にとって、最高の漁場と言えます。
ホタテの貝殻を海中に沈め、産卵された岩牡蠣の幼生を付着させます。
小さく弱い稚貝を強くするため、干潮時に空気に触れる浅瀬へ移動して1ヶ月程育てます。
何重にも重なったホタテの貝殻をより大きく成長できるように、間隔を広げて1枚ずつ通し替えます。(=垂下連)
垂下連を筏に移動して吊るします。
暑い時期は高温や表層の有害生物の付着を避けるために垂下連を下げ、寒い時期はプランクトンが多い水面近くに引き上げて育てます。
3、4年経て大きく育った岩牡蠣を水中から引き揚げます。
殻についた汚れや付着した生物を手作業で1つずつ洗い落とします。
出荷前日に18~24時間紫外線プールに浸し、中の身まできれいにします。